小説
花舞う里 古内一絵 本書は、実際に愛知県奥三河で行われている「花祭り」を題材に創作された物語である。 「花祭り」は国の重要無形民俗文化財にも指定されており、主役が鬼で歴史ある祭りと言える。そんな花祭りが織り成す人間模様ある感動物語だ。 伝統神…
七つの会議 池井戸潤 ありふれた中堅メーカーで繰り広げられた裏側の闇を描いた傑作クライム・ノベルである。 会社という組織の醜悪な闇がここに。パワハラ、隠蔽、不倫。そんな会社が果たしてこのまま平然と存在していいものなのか。読者に問うてみたいもの…
カエルの楽園 百田尚樹
アルケミスト―夢を旅した少年 パウロ コエーリョ あなたは何度夢を追って、何度夢を諦めただろうか。 夢を探している最中の人、毎日同じ生活で時間に追われて生きている人、夢の意味さえわからない人、そんな人にぜひ読んで欲しいのがこの本である。 きっと…
羊と鋼の森 宮下奈都 本屋大賞受賞作品であり、ピアノの調律師にスポットライトを当てた宮下奈都の美しい文体に惹き込まれる作品。 身近でもある書店員が選んだ大賞作品に触れてみてはいかがでしょうか。 それに、面白い本の表題だと思った方も読んで意味を…
おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本カール=ヨハン・エリーン(三橋美穂・監訳者) お子さんの寝かしつけにお困りのお母さん、お父さんは多いことだろう。 そんな方にはこの本がおすすめである。読むだけでお子さんが眠くなる絵本があることをご存知だろ…
カエルの楽園 百田尚樹 『楽園』とは一体なんだろうか?平和とは一体なんだろうか? これはカエルの世界の物語でありながら、どこか私たちに向けて今のままでいいのかと問いを投げかけた物語なのかもしれない。 これは百田さんが全国民に発する警世の書なの…
天才 石原慎太郎 現在、情報番組や報道番組において政治学者で東京都知事でもある舛添要一氏がお金にまつわる政治資金の使い方が不適切として、都議会やマスコミ、東京都民の人々に批判を浴び、進退問題にまで上ってしまった。特に最近では、一般に政治とお…
火花 又吉直樹 人気お笑い芸人「ピース」又吉直樹が処女作にして芥川賞を受賞した小説「火花」。エンターテインメント小説ではなく、文学の中でも一番難しいジャンル、純文学。 是非チャレンジして欲しい。これまでハードルが高くて嫌煙していた純文学が、お…
深夜特急 沢木耕太郎 毎日同じ時間に起き、同じ時間に来る電車に乗り込み、同じ時間に会社の朝礼があり仕事をする。恐ろしく単調日々を過ごしていることに恐怖を抱き、誰か私をどこか遠い国へ連れて行ってくれ!と願うならば、沢木耕太郎著の「深夜特急」を…
ノルウェイの森 村上 春樹 「ワタナベ」という男性と「直子」という女性が中心に「生と死」をテーマにした作品であるが、主人公およびその関係者が自ら死を選んでしまう。それぞれに理由があるのだが、私自身、10代後半か20代前半にこの作品を読んでいたら共…
白夜行 東野 圭吾 とある男性(桐原洋介)の殺人事件を巡っての物語であるが、「幼児虐待」「育児放棄」「児童買春」等、現代の社会問題に強い意見提言がなされている。守られることのない子供たちの生き方、弱者をないがしろにした大人たちの末路を「謎解き…
三国志 吉川 英治 今から1800年ほど前、中国が「魏、呉、蜀」という3つの国に分かれていた内乱の時代を描いた作品である。歴史小説としてはあまりにも有名で、読み手によって様々な捉え方ができる。「読むと人生観が変化する」とも言われる作品。長い人生の…
1Q84 村上 春樹 「青豆雅美」という女性と「川奈天吾」という男性のラブストーリーが本筋であるが、そのふたりの間に起こる出来事は「パラレルワールド」という特異な空間で繰り広げられる。 「青豆」は日常的にDVを繰り返す男の殺害を請け負う「仕事人」。…
だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 佐藤 さとる 小さな頃信じていた事の一つに、小人の存在があった。小人は私たちと近い所に住んでいて信じている人の所にしか現れないが、こちらが仲良くしたいと思ったらいつでも良い友人になってくれるものだ。…
2青いミステリー (5分後に意外な結末) 学研教育出版 5分後に思いもしない結末が待っているショートストーリー集。ちょっとした時間に読むのに最適。 ショートストーリーのため内容が少ないのが残念だが、通勤や寝る前に読むと思わず次が読みたくなるワクワク…